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4. BBRの算出例(野手)

■ 野手のBBR例

ケース-1 2007年8月12日/中日対巨人/T.ウッズ選手の場合(100.0)

野手の場合、一試合で打率10割という試合は稀です。
従って、100点が出る場合でも、凡退している打席もあります。
全打席打つことよりも、いかに得点に絡めるか(ひいては勝利に貢献できるか)によって評価があがるようになっています。

この試合は、1-1の3回、T.ウッズの勝ち越し2ランで中日がリードします。
さらに4-2で中日リードの6回には、またもT.ウッズの2ランで4点差とし、そのまま中日が逃げ切りました。
2本のホームランが、いずれも効果的な場面で出たことに注目してください。
T.ウッズの2本塁打意外の打席はすべて凡退しましたが、十分100点となりうる活躍だった訳です。

ケース-2 2007年5月1日/中日対巨人/小笠原選手の場合(100.0)

ホームランを打ち、それが勝ちに繋がると満点の評価が出やすくなるのは当然ですが、ホームランがなくても100点がつく場合もあります。

この試合、中盤までは中日ペース。
6回に谷、小笠原の連打をきっかけに2点を返して、2点差に追いつくと、7回には代打・矢野の同点ホームランが出て試合をふりだしに戻し、さらに小笠原の勝ち越しタイムリーで試合をひっくり返しました。
さらに、8回にも小笠原のタイムリーでリードを3点に広げ、勝利をほぼ確定させます。
この活躍で、BBRは100.0となりました。

5打数3安打2打点という、申し分のない活躍です。
3本の安打は、6回の追い上げのチャンス、7回の勝ち越しタイムリー、8回のリードを広げるタイムリーと、いずれもいい場面で出たものです。2回凡退はあっても、十分に100点になる活躍だった訳です。

ケース-3 2007年5月17日/日本ハム対楽天/山崎武選手の場合(99.4)

ケース1、2とは異なり、素晴らしい打撃成績を残したのに、100点にならない場合もあります。
この試合、楽天の山崎武選手は、4打数4安打5打点3ホームランと、驚異的な活躍を見せました。
しかし、BBRでは100点になっていません。

その原因は、試合がワンサイドゲームになってしまったためです。4回から6回の中盤に一気に8点を挙げて、勝利をほぼ手中にしてしまいました。
このようなワンサイドゲームのような試合では、投手が完封しても100点を出すための条件が厳しくなるのと同様、野手もハードルが高くなります。
チームの得点の半分以上の打点を挙げるような、ワンサイドゲームでも一人だけに活躍が集中していたような場合は、このような試合展開でも100点は出ます。
しかし、ワンサイドゲームや、非常に活発な乱打戦では、なかなか100点はでないと考えておいてください。

ケース-4 2007年5月17日/横浜対巨人/阿部選手の場合(92.4)

捕手は、BBRの評価では少し特殊な存在です。それは、打者としての一面と、投手をリードして敵打者に対するという一面があるためです。
この状況がBBRに影響を与えている例を紹介しましょう。

この試合は、巨人が9-6で横浜を下しています。
その中で、巨人の阿部捕手は、4打数4安打3打点という、素晴らしい活躍を見せました。
しかも7回に出た3ランは3-2という競った状況を一気に有利にする、価値ある一打でした。

しかし、BBRは5打数3安打2打点の谷選手(96.9)に及ばず、92.4となりました。
谷選手のホームランは、同点ホームランでしたので、突き放すホームランよりも少し価値は高かったものの、ここまで差がついたのには、別の原因があります。
それは、阿部選手が捕手だったため、6点を奪われた投手リードについての責任が、評価に入ってくるためです。
このように、捕手の場合は打っていればよい、ということはありません。
厳しいポジションであるということが言えるでしょう。
ただし、逆にまったく打てない試合でも、投手が相手を完封するような試合では、他の野手よりも評価点が高くなる、という側面もあります。

ケース-5 2007年5月31日/巨人対ソフトバンク/矢野選手の場合(99.1)

2006年の日本シリーズで、「日本ハムに勢いをつけた」「あれで流れが変わった」と言われたのは、日本ハムの金子選手の逆転タイムリーでした。

控え野手の場合でも、決定的な活躍をすることで、一気にBBRを上げる可能性はあります。
この試合、中盤までソフトバンクが3-0とリードしていましたが、7回、巨人の1死満塁のチャンスに代打・矢野が逆転満塁ホームランを放ちました。
結局、この満塁弾が決勝点となり、その後も追加点を挙げた巨人が見事な逆転勝利をおさめました。

わずか一打席の活躍、ということになりますが、矢野選手は他の先発選手全員を押しのけて、この試合のトップレートプレーヤー(TRP)となりました。
このように、代打で切り札的に活躍した選手には、出場イニングなどには関係なく、大きな評価が与えられるようになっています。
なお、代打の場合、逆転満塁ホームラン以上の活躍はないので、99.1がその上限かというとそうではありません。
この試合では7回に出たホームランでしたので、この点でしたが、これが9回裏であればサヨナラホームランになります。そうした場合にはさらに高い点が付きます。

ケース-6 2007年9月1日/広島対中日/前田智選手の場合(85.3)

プロ野球では、素晴らしい記録が作られる試合があります。しかも、記録を作った本人がその試合で活躍すると、多くの人の心に残ります。
ただし、そうした通算の記録などは、BBRの算出には影響を及ぼしません。

この試合、2000本安打がかかった前田智選手は、4打席まで無安打。
チームも中盤までリードを許す展開でした。7回の最終打者として併殺打に終わった前田智選手は、そのままの流れであれば5打席目はなかったはずです。
しかし、8回に広島が大反撃。代打・嶋の逆転3ランで試合をひっくり返し、前田智選手まで打席が回りました。
ここで前田は2点タイムリーを放って見事に2000本安打を達成。この一打は、2点差を4点差にする貴重なタイムリーでもありました。

この試合の前田智選手のBBRは85.3。
2000本安打で盛り上がったため、もっと高くてもよいイメージがあるかもしれませんが、BBRの場合は「4打席凡退(1併殺)の後の2点リードのケースで2点タイムリーを放った」という内容によって評価が出ます。
残念ですが、2000本安打という、偉大な記録が数値に含まれることはありません。
新人の選手であれ、前田智選手であれ、一つの試合の中で同じ活躍をしたら、同じBBRとなります。

※注)この試合で、代打スリーランの嶋選手が100点になっています。ケース5の場合と比べると分かりますが、8回裏の逆転スリーランで2点差をつけた嶋選手と、7回裏の逆転満塁で1点差をつけた矢野選手では、少し評価が異なるのです。
当然、8回裏で2点差をつける逆転ホームランの方が高い評価となります。

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